衣類の豆知識~洗濯の原理~-2017年9月号

目次

①洗剤とは

②洗濯の原理

本文

①洗剤とは

 

洗剤とは、衣類や食器その他を洗浄するための化学製品をいい、その成分は界面活性剤から成っています。界面活性剤にはいろいろな種類がありますが、洗剤の場合、陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)が用いられています。

界面活性剤はこの図のように、水になじむ部分(親水基)油になじむ部分(疎水基)から成っていますが、水になじむ部分(親水基)が陰イオンから成っているものを陰イオン界面活性剤(アニオン界面活性剤)といいます。

 

②洗濯の原理

 

衣類についた汚れのうち水溶性の汚れは、水に浸しただけで水に溶けていきます。水溶性の汚れは、まさに「水に流す」ようにきれいに落とすことが出来ます。

反対に衣類についた汚れのうち油溶性の汚れは、「水と油」の言葉のごとく水には溶けません(図1)。ここで登場するのが界面活性剤です。

水に界面活性剤が含まれていると(洗剤溶液)、界面活性剤の油になじむ部分(疎水基)が油汚れと結びつき、油汚れを中心として、油になじむ部分(疎水基)が内側に、水になじむ部分(親水基)が外側にきれいに並んでいきます。(図2)

ここに力が加わり、生地と油汚れの間に隙間ができると、そこにも界面活性剤が入り込んでいきます。(図3)

 

最終的には、油汚れが生地から引きはがされ、界面活性剤に包まれた油汚れが水の中を漂う状態になります。(図4)

これが洗濯の化学的な原理です。

(参考)http://www.tdk.co.jp/

     http://sentaku-shiminuki.com/